今日はよくお客様から聞かれる、“ツチトイブキの店名”についてお話します。ツチトイブキ。この名前をつけるのには結構時間を費やしました。
名前の由来は、去年コロナがここまで蔓延する前に、フランス・アルザス地方とオーストリア・シュタイアーマルク州のナチュールの生産者さん達を訪れたところに行きつきます。(巨匠ばかりです☆)この旅行記については、追々ゆっくりと…。
訪問する中で、アルザスの知る人ぞ知る造り手、“ジュリアン・メイエー様”に訪れた時のことです。ジュリアン・メイエー様はビオディナミ実践者の間では有名にも関わらず、雑誌などの媒体が嫌いで、一切マスコミに出ていない醸造家です。熱狂的なファンも多く、他のナチュールの生産者さん達も一目置く存在です。通常予約が難しいそうですが、奇跡的に予約が取れたので会いにいくことができました。
お会いした印象はとても静かな雰囲気で、学者肌な方でした。そんな彼に、どうしても畑をみたいと交渉し、念願のメイエー様の畑をみせてもらうことができました!メイエー様が畑のお話を懇切丁寧にしてくださったのですが、なかでも一番驚いたのが、隣の畑(他の生産者さんが所有している畑)との比較をしてくださった時です。
メイエー様『(隣の畑の土をとり)触ってごらん!この土は生命がないんだよ』と言われ、隣の土を触ったら、とてもパサパサな状態でした。かたや、
メイエー様『うちの土を触ってごらん?土が生きてるんだよ』と言われ触ってみたところ、
なんと!!土がとても湿っていて、根っこが何十本に渡り生えていて、密集した状態でした。なにより、土がとてもいい匂いだったのです!今でもあの土の匂いが脳裏に焼き付いています。巨大なミミズも元気に生息してました。
生きている土って!!こういうことだったのか!!!!私はすぐさま、この土をお持ち帰りさせてもらいました!
メイエー様『この土の中にはね、何万匹の微生物が存在するんだよ!それが良いブドウを造るんだ。だからね、土が健全なことがワイン造りには重要なんだよ。』
生命がある土と、生命がない土…。その差は歴然としていていました。
メイエー様の神様みたいな風貌、いでたちと共に、感動しきりな体験でした。
この体験から、ショップ名に、“土” “土壌” というキーワードを入れたいと強く思ったのでした。
畑体験以外にも、醸造所で樽からワインを飲みながらティスティングの極意を教わったり、ご自宅でお食事をご馳走になったりと、素晴らしい体験をしました。実際に生産者さんを訪問するという経験は、これからも続けていきたいと思っています。
後半に続く…。